「なんやなんや黒板の前でイチャイチャしいて!俺も混ざらせろ!」

大きな声でムッとする翔太が茉莉子の後ろから現れた。

その大声と自分より遥かに大きい翔太に驚いたのか、肩をびくつかせ茉莉子は後ろを振り返る。

「あ、あたし伊達茉莉子って言います!よ、よろしくお願いします!」


すこし怖がりながら茉莉子が自己紹介する。

「そんな怖がらんとも俺は優男やで!真田翔太やよろしく!」

「朽木くんと真田くんって仲良さそうだけど、同じ中学なの?」

翔太の会話の入り方を疑問に思ったのだろう、頭をかしげ聞いてきた。

「せや!幼稚園からの仲やで!離れたくても離れられへんのや~。あ、それから翔太でええで!」

「俺も呼び捨てでいいよ。呼びにくいだろ。」

「おっけー了解!同じ中学かぁ、いいなあ!あたし同じ中学の子1人もいないからさぁ。」



言い終わった後、どこか遠い目をしてる茉莉子を不思議に思ったのはこれが初めてだった。