「ねえ、その『ヤツ等』の正体、結局何者?」
俺は右手の親指と人差し指を限界まで開いて、「これくらいのヤツ」と示す。
赤黒い塊に見えたけど、近づくと真っ赤だった。
それは不気味なくらい。
茹でたわけでもないのに真っ赤。
「蟹」
「……カニ?」
「そう、蟹の大量発生」
一瞬の間を置いて、「うわっ!」と声をあげた彼女は両手で自分の二の腕をさすった。
想像して、鳥肌立ったか。
場所が場所だけに、川の蟹なのか海の蟹なのか、はたまた漁港にあげられた奴らが逃げて来たのかも分からない。
何より茹でる前から赤い蟹なんて、少なくとも俺はこれまで見たことがないし。
とにかくあまりのキモさにその日川沿いの道を回避した俺は、それからしばらく川へ近づかないようにしていた。
「でも、2回目があるんでしょ?」
「しょうがねえよ、向こうには起こしてくれる彼女がいないから」
だからうっかり寝坊して、遅刻ギリギリで家を飛び出すことだってたまにはある。
近道を通らないと遅れそうな時だって。
俺は右手の親指と人差し指を限界まで開いて、「これくらいのヤツ」と示す。
赤黒い塊に見えたけど、近づくと真っ赤だった。
それは不気味なくらい。
茹でたわけでもないのに真っ赤。
「蟹」
「……カニ?」
「そう、蟹の大量発生」
一瞬の間を置いて、「うわっ!」と声をあげた彼女は両手で自分の二の腕をさすった。
想像して、鳥肌立ったか。
場所が場所だけに、川の蟹なのか海の蟹なのか、はたまた漁港にあげられた奴らが逃げて来たのかも分からない。
何より茹でる前から赤い蟹なんて、少なくとも俺はこれまで見たことがないし。
とにかくあまりのキモさにその日川沿いの道を回避した俺は、それからしばらく川へ近づかないようにしていた。
「でも、2回目があるんでしょ?」
「しょうがねえよ、向こうには起こしてくれる彼女がいないから」
だからうっかり寝坊して、遅刻ギリギリで家を飛び出すことだってたまにはある。
近道を通らないと遅れそうな時だって。



