LOVE or DIE *恋愛短編集*




転勤先は海の近くだ。
と言っても夏になれば泳げるようなテンションあがる代物ではなくて、少しさびれた漁港。
通勤に使う会社までの抜け道が、漁港へ続く川沿いの細い道である。
一応舗装はされてるが、信号もないし、一方通行じゃないがセンターラインもない。
会社に行くときには川を左に見て走るわけだけど、右手にはぽつんぽつんと民家、あとは藪があるだけという、そんな道。

「その川?……てか海?に何かあるの?」

正直、そのどっちに問題があるのか俺にはよく分からない。
とにかく

「近道なんだけどさ。……もう二度と通りたくないんだよなぁ」

『アレ』があってから。
そう呟くと、彼女は心配そうに眉を寄せた。

「何?」

「マジで、聞く?俺、呪われたかも」

は、と間抜けな声を漏らし、ぽかんと口を開ける。
その顔を笑いたいのに、『アレ』が頭の片隅にあると笑えない。