LOVE or DIE *恋愛短編集*

そうか、ならこのまま受け入れていいのか……。

バレンタインだもん。
手ぶらで来ちゃった私に、プレゼントは私でいいよってこの人は言ってくれてるんだ。

ふわふわした頭のまんま、しんちゃんに身体を預けた。

「おっと」

そのままラグの上に倒れ込みそうになって、しんちゃんが支えてくれる。
見かけによらず、力持ちだ。


視界の端にベッドが入った。
床よりはあっちがいいな、私、はじめてなんだから。
しんちゃん、ちゃんと優しくしてくれるよね?


「甘え上手だなぁ、アイコちゃん」

甘え上手?
違うよ、力が入らないだけ――。


呼び方、戻っちゃった。
名前の方がいいのにな、特別感あって。

あれ、しんちゃんの名前、なんだっけ。
シンタ、シンゴ、シンイチ……違う違う
、慎一くんは別人だ。
ええと……そうだ、晋哉。


「しんや」

駄目だ、呂律もまわってない。
ほわんとした喋り方に、しんちゃんはニヤリと口角を上げた。

「なあに? アイコ」


違う、私、愛だよ?
さっきは呼んでくれたのに。
私が名前で呼んだら、また呼んでくれるかと思ったのに。


「酔っ払っちゃった? 可愛いね」


ぽわぽわしてた。
名前で呼ばれたいのに伝わらないのがもどかしくて、でも『可愛い』の言葉は嬉しくて。

ふわりと身体が浮いて、背中からぽすんとベッドに降ろされるのもされるがまま。

ああ、私このまま、しんちゃんと――。