LOVE or DIE *恋愛短編集*

「なあ、花火の日、お前―――」

「佐野、恋してる?」

悠太の言葉を遮って、彼女は唐突な質問をしてくる。

呆気にとられて、悠太は固まった。


「大事な気持ちは、ちゃんと、相手に伝えないといけないよね」

返事はできなかった。
彼女が何を言いたいのか、悠太にはまるで理解出来なかった。


風が吹いて、紗耶香の長いストレートヘアを揺らした。
前髪ごとかき上げてその髪を整える仕草に、一瞬だけ目を奪われた。


「私ね、佐野のこと、尊敬してるんだ」

彼女の話には何の脈絡もない。
急に褒められた悠太は、喜んだり照れるよりも、戸惑いを感じた。

「知らなかったでしょ」

そう言われて、ようやく頷くことが出来る。


「ね、言わなきゃ、伝わらないよね」

日野 紗耶香は、穏やかに笑いかけてくる。
やけに、大人に見えた。



そう言えば日野は美人の部類に入ると、純也が言っていた気がするな、と、悠太はふと思い出した。