掲げていた目標、対3年生のミニゲームには敗れた悠太だが、この試合で得たものに確かな手ごたえを感じている。

ゆえに、彼はついに決意する。
結城 佳織を、コンビニの外へ誘うことを。

ちょうど、市内の河川敷で行われる花火大会が迫っている。
悠太はそこに、彼女を誘おうと考えていた。

その日の夜、いつものようにランニングに出た。
水曜日のことだった。
彼女のシフトを考えると、当然会えると思っていた悠太は―――、

結果、その日彼女には会えなかった。

月、水、金の夜に彼女がいないのは、春から毎日通い続けて、初めてのことである。


―――体調でも崩してるんだろうか。
いや、単に何か用事があってシフトを交代しているだけかもしれない。


レジ店員ははじめて見る若い男性だった。
佳織がいない日でもこの男を見たことはないから、新しいバイトを雇った可能性もあった。

初対面のレジ店員に事情を聞くことはできず、こんな日には大して意味をなさない限定ドリンクを買って悠太は店を後にした。

まだ日はある、次こそ―――。

そう、自分に言い聞かせて。