LOVE or DIE *恋愛短編集*

本来箱型であるはずのゾーンの前の2人は、極端に片側に寄っている。
つまり、3年生チームの外角シューターがいる方へ。
シューター側のディフェンスがマンツーマンのように貼りついて彼へのパスコースを塞いでいる。

残る3人でペイントエリアと呼ばれるゴール下の制限区域を守っているのだが、【トライアングルツー】―――ポイントガードと外角シューター2人に対してマンツーマン、残りの3人で三角形の1-2ゾーンを組む―――とも違うのは、外角シューターに対するディフェンスはあくまでもゾーンだということ。
つまり彼が右から左へ移動した場合、ディフェンスがぴったりついていくのではなく入れ替わるということだ。

これは、外角シューターに対してマンツーにしてしまうと、マークについた者に必然的にファールがかさんでしまうことへの苦肉の対応でもあった。
しかしもう1つの棚ボタ的効果―――見慣れぬ陣形で相手の動揺を誘うという、悠太たちが思いも寄らなかった効果をここで発揮した。


一瞬ゾーンかと思ったポイントガードは、自分に対する悠太の付き方からこれはマンツーマンだと判断した。

ところがゴール下の要である部長とインサイドの点取屋であるキャプテンは、ゴール下の2年生長身2人とハイポストに立つ3人の三角形にがっちり固められている。

ここでもう一度ゾーンの可能性を考えた彼だが、セオリー通り外角のシュートを狙おうにもシューターへのパスコースはきっちり抑えられていた。