LOVE or DIE *恋愛短編集*

ノーマークで走りこんだ彼は難なくランニングシュートを決める。

2-0
2年生チーム、先制。


「っしゃ、作戦通り!!」
「次、ディフェンス!!」

2年生チームが下がり守りの隊形を作ると、ボールを運んできた3年のポイントガードは一瞬眉根を寄せた。

「ゾーンか?」

決められたマークマンにつくのではなく、エリアごとに担当を決めて守るのがゾーンディフェンス。
一般的にはアウトサイドシューターを要するチームには不向きとされている。

だが、見慣れたゾーンの陣形ではない。

8人でこの守備を練習するのには骨が折れた。
何故なら、いるはずの【敵】がいないから。
それでも、想像で十分まかなえる程度に、彼らは敵をよく知っていた。


―――単純なゾーンと思うなよ。


悠太はきっちり間合いを詰めてポイントガードにつく。
彼だけは、ポイントガードを封じるマンツーマンディフェンス。

他の4人で組んだゾーンは、いわゆる【ボックスワン】と呼ばれるディフェンス―――1人が攻撃の要となる選手にマンツーマンでつき、残りの4人で2-2の箱型のゾーンを組む―――と捉えるにはいびつな四角形をなしていた。