LOVE or DIE *恋愛短編集*

時間は平和に過ぎていき、【初恋】という言葉に最初は戸惑っていた悠太は、徐々にそれを楽しめるようになってきた。
4つの年の差が気にならない時はなかったが、レジカウンター越しに交わす会話は楽しい。

彼女―――佳織は常に穏やかな雰囲気をまとっていて、悠太を応援してくれる。
たまには冗談を言い、2人で笑いあった。
初めて名前で呼ばれたときには、心臓が飛び出すかと思った。
そして呼び返したときには、心臓が止まるかと思った。


いつか―――カウンター越しではなく、このコンビニという空間ではなく、別の場所で会えないだろうか。
悠太がそんな風に前向きに考え始めたときには、梅雨もすでに終わり、季節はもう夏に変わっていた。


何か、区切りを付けよう。
外に誘う勇気を出すための、何かきっかけを作ろう。
自分の中で何か目標を立てて、それを達成したら、佳織さんを誘おう。
悠太がそう心に決めたのは、ちょうどバスケの県大会が始まる頃だった。


「へえ、県大会?」

「そうっす。負けたら先輩たちは引退なんで、行けるとこまでいかないと」

「悠太くんも試合に出るの?」

「俺、一応スタメンっすよ」

「えー凄いじゃないっ!」


そんななんでもない会話が、楽しかった。