LOVE or DIE *恋愛短編集*

目的は北海道の最北端だったのに、本土も出来る限り陸路にしようなんて話になったのは何故だったろう。

飛行機とレンタカーでも使えば、もっと時間的に余裕があったはずなのに。


――なんて。
理由は考えるまでもない。

私たちの旅の目的の半分は運転で、車は借り物じゃなく自分の(私か真希か、どちらかの)でなくてはならなかった。

ついでに本土最北端の大間も制覇出来て、この旅は一石二鳥だった。

人に話せば大抵理解されないけれど、かったるいだけのはずの道中も、私たちはそれなりに楽しんでいる。


本土に戻ってからの長い帰り道は、思いの外渋滞もなく快適だった。


北海道で食べた朝市の海鮮やジンギスカン、道の駅のとうもろこしに、ラーメン。

見てきた景色や野生動物、出会った人たち。

あのバイクのお兄さん。


旅の思い出話に花を咲かせている内に、あっという間に現実に――生活圏内に、到着だった。




就職が決まっていた。
最後の夏だと、残された休みを謳歌した。


いつの間にか日々が過ぎ、季節が変わり、私と真希は学生生活を終えた。





『いつか日本一周』





その約束は卒業旅行で――という願いは叶わなかった。

なんてことはない。
互いに入社前研修が入ったりと日程的にもそんな長期は無理があったし、何よりお金がなかったからだ。


社会人になって稼げるようになったら、きっと。
そう思っていた。

現実は、そう甘くない。