LOVE or DIE *恋愛短編集*

「北海道、バイクに優しすぎない!?」

「ほんと。さっきからライダーハウスばっかだねぇー」

「ああん、おしっこしたい。道の駅でもコンビニでも何でもいいから、早く出てこーい!」

「私ちょっと寝る。安全運転お願いします」

「卑怯者ー!」



道沿い、バイカー用のレストハウスは沢山出てくるのに、なかなか車の休憩スポットが出てこない。

うつらうつらしながら、ライダーハウスを通り過ぎる度に意識が引き戻された。


そこに彼のバイクはない。

当然だ。
あの男は私たちより後まであそこに残っていたのだし、道は一本だ。
途中で抜かれれば気が付く。



「ねえ真希、大学生だった? あの人」

「え? ううん、社会人2年生だって」

「へえ。暇な会社なのかな」

「なんでよ」


ふふ、と真希が笑う。
幸せそうに。

戻ってからの約束でも、したのだろうか。
もしかしたら生活圏は意外と近いのかもしれない。

ナンバー……見なかったな。


あの主張の強い蛍光色みたいな目立つバイクだけは、しっかり覚えてるんだけど。


「連絡先交換して、どうすんのよ」

「え? 番号じゃなくてTwitterだよ! 旅先の写真アップしてるっていうからフォローしたの」


欠伸を噛み殺して、ふうん、と気のない返事をして――、どうやらそのまま、私は本当に寝たらしい。