「涼子、ごめん。急に社長に呼び出されちゃって、今から次のドラマのうちあわせに来いって。久しぶりに授業に出られると思って、ここまで来てたのに。ホント、ごめん。」

彼女は、藤井真夏。学生兼モデル。最近は女優もするようになった。

「今日、オフって言ってなかったっけ?」

わたしは、ため息をつきながら、ひとりごちる。

「なんか、別件でテレビ局に行ったら、次のドラマのプロデューサーさんからランチに誘われて、だったら私もどうか?ってなったんだって。」

「わかった。ノートとっとくよ。行っといで。ランチはまたね。」

私はバイバイをした。

「この埋め合わせは必ず。ついでにこの前話してたバイトの件も聞いとく。じゃ、ホントごめんね。」

真夏は、話しながら、かけだしていた。きっと近くまで迎えが来ているのだろう。最近、ホントに忙しそうだ。

「ランチどうするかな…。」