「花ちゃん!?」 私がそう叫んだ時、自分の体は宙に浮いていた。 浮いているというより、崖にぶら下がっていた。 自分は、捕まるための力を使っているつもりはない。 それなのに下へは落ちない。 ふと上を見上げる。 するとそこには私の腕を掴む同い年くらいの女性がいた。 実際に見た記憶はない。 だけど会ったことはある。 そんな不思議な感覚。 そして、先ほど聞こえた不思議な声。 「日菜ちゃん、頑張って」 「花ちゃんも落ちちゃうよ!」 花ちゃん。 自然と再び自分の口からその名前がこぼれ出た。