佐月は涙ながらに(正確には折角のチャンスを逃すまいとわざとだろうと思われる行動)、俺の制服の裾を掴む。


「お願い…きいて?」


まるで女の子のおねだり状態。


佐月は容姿が整ってて小柄だから、男なのにその行動があまりにも似合ってる。


(チッ…!)


この顔を無視出来るほど、俺は女慣れしてない。(女じゃないけど)


「仕方ない。腐れ縁のよしみで聞いてやる」


「わぁい!今日の太輔は優しいー」


佐月はありのままの歓喜を露にする。


「ただし、簡潔に話せよ」


「太輔に聞いてもらうために頑張るよっ」