思わず絶叫。




声を掛けられた時に、肩も叩かれたせいか、より一層の恐怖を味わった。





「あ、驚かせた。………ごめんな」




「は………。」




意外中の意外。




まともな言葉が返ってきた。





「え、えぇと………君は?」




「俺は零韻 聡(れいいん さとる)言うねん。」




聡君、か。


なんか話が通じそう。




「あの、聡君?」



「なんや?」



「!………あの、その得物は?」




「なんや、あの変態野郎に聞いてへんのか?殺し合いせなアカンねやろ?」




変態、野郎?は分からないが。




やっぱその類いの人間なのか、彼は。





「いや、事実は否定しないが。まだ上手く飲み込めてないんだ」




「………ふぅん」






「君は、その、不死を手に入れるために相手を殺すんだよね」






「………ちゃう。」





呆気なく否定文。






「え?」




思わず聞き返した。







「俺は不死なんか、どうでもええ」








なに、言ってるんだ?



得物出して、いかにもやる気満々じゃないか。




「俺は、“終わりなき道”に進みたくないだけや」






つまり、不死に、なりたくない………?






そうか、彼は、俺と同じ。







望まれて殺されたワケじゃない。






「あのさ、俺も、不死が欲しいなんて、思ってないんだ」






「………。」






「ただ偶然、殺されただけで………。」






ヒュッ!





聡君の得物は俺の首筋を掠る。





「ごたくはえぇ。それでも、殺し合いはせなあかんねん。………なぁ、不死なんか、いらん言うたけど、今死にたくはないんやろ?」






それはそうだ。





「選ばれたのは、俺らだけやない。他にもおる。そいつらが同じとは限らない」






じり………。





彼は嘘は言ってない。






むしろ、正論すぎる。






俺たちの間に、緊迫した空気が流れる。