「……それでですね、その現場に遭遇したとされる青年は……実は。」


俺が聞いてなくとも、一人でしゃべり続ける佐月。


いつもの様に聞き流していると。


珍しく文句が入った。






「ちょっと太輔、また聞いてないーっ」


「うぉ。なんだ急に。お前の話は長いんだよ、簡潔に話せ、簡潔に。」


「だからー、隣町のR君がドッペルゲンガーに殺されたって話!」


…は?


ドッペルゲンガーだと?





「待て待て、殺されたとは?つか、ドッペルゲンガーとか言ったか?」


流石に二次元的発想過ぎて驚いた。


殺されたとかも穏やかじゃねぇし。





「行方不明かなんかだろ?どうせ」


「太輔が興味津々ってメズラシイ!」


佐月はいつにもなく最高の変態的笑顔をみせる。


「聞いた俺が馬鹿だったよ…。」


「え、ちょっ!折角だから最後まで聞いて!」