思考停止とはこの状況の為にあるんだな。




俺はすっかり考え疲れていた。






「なぁ、佐月」



「なんですか?太輔」



「お前さ、その噂、信じてるわけ?」




「…太輔。よく聞いてください。」





もし明日。


自分にそっくりな奴が、


目の前に現れたとして。




貴方は一瞬で殺される運命です。



しかし、貴方は不死になることができる。









「なにが…言いたい」










「もし予め分かっていたら、貴方はどうしますか?」











死ぬとわかっていて逃げる?


それとも、素直に殺される?



それとも………………。














「俺は知らなかった。」





「………え?」






「俺は既に殺された。」





今度は佐月が、驚いた表情を見せた。