いつもの日常はここにあると。

信じていた。




「太輔、太輔!聞いてください!面白い噂を耳にしたんですっ」


いつものように佐月 純が俺に話しかける。


いつもの“小耳に挟んだ噂話”だ。


「お前、元気だなぁ」


佐月は毎日、どこからか噂話を仕入れてきては俺に話しかける。


奴とはクラスとかも何故か常に一緒で、腐れ縁というやつだ。


今は蝉が五月蝿い夏休み直前のテスト期間だというのに、勉強なんかそっちのけ。


佐月(アイツ)曰く、

「勉強なんかより、噂話のほうが楽しいですもんっ」

との事だ。




しかし、あくまで噂は噂。


真実でも無ければ、事実とも言えない。


だからこそ、面白い(らしい)が、俺にはさっぱりわからない。


「…ったく。なんでそんなモンに時間を使うんだか」