私の役目は、女子を追い払うことだけではない。


 もちろん他に沢山の仕事がある。


 「みずきちゃん!審判よろしく!」


 「は、はい!」


 風真先輩に言われて、笛を出し、審判をした。


 この試合で一番目立つのは、やはり楓先輩。


 それを追うように圭太も頑張る。


 「ピィィィィィィィィイ!!!!!!」


 ストップウォッチが10分を過ぎたので笛を思いっきり吹いた。


 試合終了の合図だ。


 周りの皆は喋りながら片付けを行う。


 そのとき、静かに体育館を出て行く人を私は見逃さなかった。

  
 若干だけど……


 その人は足を引きずっていた。