真珠の涙




愛海を見ると、

何処か遠くに行ってしまうんじゃないかってくらい

遠くを見つめていた。


こうやって遠くを見ているのに気付いたのは、小学校の時。






1人になれば、

いつも今日のように切なく空を見上げ遠くを見ていた。



その時の愛海は、何を考えているのかが分からない。




誰よりも愛海の近くにいて、

愛海のことをよく理解しているはずなのに、

この時の愛海だけはどうしても理解することができなかった。














「愛海。」




「―朔・・・」








俺がそう呼ぶと、愛海は優しく微笑む。