「朔夜がベタベタさせてるからじゃないのぉ?」
「ベタベタ?」
「腕に絡みつかれてたじゃん!
それに旦那さんだったとかなんとかって言われてたしさぁ。
朔夜は覚えてるの?」
「覚えてたらこんな困ってないし。」
「そうだよねぇ・・・
覚えてたら愛海の事好きにならないもんねぇ??」
睨みつけていたと思ったら、今度はニヤニヤし始める。
俺は亜季の頭を思いっきり叩いて愛海を探しに行く。
亜季の話からトイレには行っていないのは確実だな。
まぁ、何となくだけど愛海が行きそうなところは分かる。
赤ん坊の時からずっと一緒だったんだ。
ずっと、俺は愛海を隣で見ていた。
裏庭に続く廊下を歩いていると、
桜の木の下に愛海はいて。
俺が近づいているのに全く気付かない愛海。
