新田さんの話に、
更に教室が騒がしくなる。
先生は静かにするよう言っているのに、
一向に静まることがない。
あたしはもう朔のほうを見るのが怖くて俯いていた。
「何それ!その話もっと聞きたい!聞かせて!」
「テレビで前世の記憶がある子供がいるっていうやつとかたまに見るけど、身近にそんな奴がいるなんて凄ぇよな!」
皆にとっては、珍しくて凄いことなのかもしれない。
でも、あたしは違う。
『自分が好きになった人が他の人と本当の恋をしたら泡になるわ。』
お姉さまたちが言っていたことが
頭の中をグルグルと回っている。
もし新田さんの話を聞いて
朔が新田さんを好きになってしまったら、
あたしは泡になる。
話を聞いて信じなくても、
あんなに可愛い女の子に言い寄られたら
好きになってしまうかもしれない。
