真珠の涙



朔の目の前で顔を赤くしながらそう呟く。

新田さんの言葉に、クラス中が騒がしくなる。



「え、それどういうこと!?」


「松本君と新田さんってどこかで会ってるの!?」




―やめて。




そんなこと、聞かないで。




そういいたいのに、声を出すことが出来ない。

新田さんは朔の腕に絡みついた。



「彼は、私の王子様。私の旦那さんだったの。」



“会えた”そのフレーズだけで予測は出来た。

新田さんはあたしと同じように

前世の記憶を持つ人だと。

分かっていたけど、

そうであってほしくないと心の中で願っていた。



「え、それどういうこと!?」


「私、少しだけど前世の記憶があるの。

信じてもらえないかもしれないけど・・・







でも彼は、私の王子様。」