20分ほど前に終わった始業式で
各クラスの担任紹介があり、
今年は生徒の中で人気の高い
高山慎吾(たかやましんご)先生が
あたしたちの担当になった。
クラスは3年間変わらないから、
クラスに緊張感というものはない。
高山先生も去年、
あたしたちの英語を受け持っていたから顔なじみである。
そんな中、先生のほかにもう1人誰かが入ってきた。
あたしの席からは先生の陰になっていて見えない。
「先生、その女の子誰!?」
前のドア付近に固まっていた男の子たちが叫ぶ。
どうやら女の子らしい。
「今から紹介すっから早く席に着く!」
「じゃ、またあとでな。」
朔と大翔はそういって席に戻っていった。
席付いていなかった他の子たちも席に付いて、
騒がしかった教室が静かになる。
