でももう成れた。





一人でいることに成れてしまった。






行きたく無ければ行かなければいい。

見たくなければ、見なければいい。






そうやって生きていけばいい。





カーテンの隙間から真ん丸の満月が見える。





手を伸ばしても届かない。


闇の中に光る小さな光。






なんだか笑えてくる。





隣では満足そうに寝息をたて、男が寝ていた。






ベットから降りてカーテンを開ける。






今日も私は生きている。


生きているのに、生きている気がしない。




「……………ばっかみたい…………」






そんな言葉が口をついて、闇の中に消えた。