それ以上は聞けない。
臆病な風が私を包みこむ。
別に自分って決まった訳じゃないのだけれど、妙な気になる。
告白なんて一度もされたことのない私だ。
「ねぇ、香奈。まえにさ、成島君の事タイプだって言ってたよねー。私はナイかなー」
私は少し悲しくなった。
別に自分のことを悪く言われたわけではない。
だけどなぜか無償に悲しかった。
小学5年生になると成島君とはクラスが離れた。
放課後の図書室で会う事もなくなった。
でも、完全に接点が無くなった訳じゃなく、休み時間は一緒にドッジをする。
並より少し背の高い私は、それよりも背の高い成島君が大人に見える。
休み時間、教室の窓から見たドッジをする成島君は、どれだけ周りに人がいてもなぜか見つけることができるんだ。


