「私、サンタさん大好きっ」
「俺も、大好きだよ!」
二人で両端を持って毎日の様に読んだ絵本。
その頃私は、絵本も大好きだけど少女マンガにハマりだした。
だから恋愛ごとに疎い訳じゃない。
けど、友達から聞いた時はビックリした。
「成島くん香奈の事好きだよ、絶対」
え、まさか。
そんな事ないだろうって。
まあ確かに成島くんはよく話しかけてくるし、おにごっこの時だって必ず私を追いかけてくる。
成島君は学年一、足が速いからつかまっちゃうけど。
でも追いかけてくるのはただ単に、私も女子で一番足が速かったからだろうって。
「ねぇ、早倉って好きな子いるの?」
4年生がもうすぐ終わってしまう時の最後の席は、成島くんの隣だった。
「いないよ」


