読み終わって本を閉じた。 すると、ちょうど図書室のドアがガラリと開いた。 「早倉…」 そこに立っていたのは記憶の中の彼とは遥かに違う彼。 身長も声も手も、全部大人になっていた。 「成島くん……?」 何も分からない。 ただ、心が動揺していた。 「本読んだんだね」 少し緩んだ表情は昔と変わらない。 だけど、恐怖を抱いた。 消された思い出を。 侮辱されたあの日の出来事を。 もう一度取り戻すことはできるのか。