繋ぐ携帯

「なんでいきてんの?」
また今日も言われる日々。
「学校くんなよ。お前の分の酸素無駄~。」
またこれだ。
「あ、それ分かるぅ。アハハー。」
なにがそんなに面白いのだか。私には分からない。
~♪
メールか。マナーモードにしとけよ。
「あっ、ごっめーん!今日、彼氏とのデートだった。先帰るね~!」
「えー。ま、しょうがないか。麻友華じゃーねぇー。」
霧風 麻友華(きりかぜ まゆか)2-Aのリーダー的存在。A型。私のいじめの主犯
あまり、イジメだとか思っているとまた、「被害妄想激しいんじゃないの?」そう言われる。
そして私。花咲 梓(はなさき あずさ)ただの平凡な高校2年生のはず。イジメさえなければ。
あえて、特徴と言ったら、黒髪メガネな地味子ってことかな。


「きりーつ、れーい」
今日も、日直のヤル気のない号令で授業が終わる。
やっと終わった。すぐ荷物をまとめて教室を出る。
「うわ~。梓がにげてくぅ~。」
当たり前だろ。あんなふざけた連中といたら、私までおかしくなりそうだ。
だいたい、学校から私の家まで徒歩20分。
近いからって理由で県立山中高校に入学。成績は上の下。部活は帰宅部。

「ただいま~。」
「あず、お帰りなさい。」
彼は、私の兄。花咲 翔(はなさき しょう)イジメの相談者でもあるし、私の保護者変わりでもある。両親は、5年前交通事故で私をかばって二人は死亡。その時高校1年の兄が、
「俺が、あずの分まで養うので、二人で生活をさせてください。」
何回も親戚の伯父さん伯母さんに言ってくれて、二人で母さんや父さんとの思い出があるこの家に住んでいる。
「あず、今日の夕飯は何がいい?」
「え、あ、私作るからお兄ちゃんは休んでていいよっ!」
そして絶望的に料理が下手だ。
「え~…たまには俺に作らせて?あず、疲れているでしょ?」
「でもダメ。」
「は~い…。」
前に何度か作ってもらったことがあるが、ハンバーグの場合、黒い石みたいになっているし、カレーの場合白くなっていた。なんでだ。
「あー、疲れた。」
フカフカのベットに飛び込む
「ん~…。久々にゆずにメールしよっかなぁ。」
ゆずとは、朝春 柚菜(あさはる ゆずな)私の中学時代の大親友。親の仕事の関係で隣のT県に引っ越してしまった。
「あれ・・・ゆずのメルアド・・・どこだっけ?」
この前整理したときに消してしまったのだろうか。どこを探しても見つからなかった。
「どうしよう・・・。こうだったかな。」
記憶を頼りにメールアドレスを打っていく
「こうだったような…?」
どうしてこういうときだけ私の頭は働かないのだろうか。
「ゆずへ 元気ですか~!私は元気ですよー!  っと・・・元気じゃないけど一応こうしとこう」
このメールが私を変えるなんてこの時の私は思ってもいなかった。