溜まり場に行くと、まだバイクはチラホラとしか置いてなかった。


けれど中から聞こえてくる音は、外まで響いていた。





「来てるみたいだな」



トラジさんはそう言いながら中へと入っていく。



誰が来ているんだろう。

トラジさんの後ろを歩きながら、中にいる人たちを見渡す。





「とーーらーーじーーー!!」





大きく、高い声でトラジさんの名前が響く。





「相変わらずだな」



トラジさんは自分に抱きつく小さい男の子の頭をなでる。


トラジさんに思いっきりぶつかった男の子は、小学生くらいだろうか。




なんで小学生がここに…。





「このおねーちゃん、誰?」




少年の目が、あたしを見つめる。