そうは言われても、あたしの存在は迷惑だったはず。




あたしは、東の人間だから。







「悩まなくていいんだけど、俺らのなかで一番東の人間嫌ってるセーヤが、美園ちゃんを家にまで上げてるんだから。

セーヤにとって美園ちゃんは、ただの東の人間じゃないって事」





トラジさんの言葉に、あたしは苦笑する。



本当に、そうなのだろうか。




そして、セーヤさんが誰よりも東の人間を嫌っているというのは、本当なのだろうか。






「そろそろ溜まり場に行こうか」

「え、まだ昼間ですよ?」

「今日は奴がくるんだ。きっと美園ちゃんとは仲良く出来そうな奴だから、仲良くしてあげて」

「はぁ…」




奴とは、誰なんだろう。