「セーヤが考えたのは2つの行程。信頼からの絶望」


指を2本立て、あたしの目をじっとみてくるトラジさん。



「東から逃げてきた美園ちゃんが弱ってたのは容易に想像できる」

「………」

「セーヤはそこに漬け込んだ。美園ちゃんも疑ってはいただろうけど、逃げる場所もない美園ちゃんにとって、唯一、セーヤんところが救いだった。間違ってないだろ?」

「…はい」

「逃げ場のない美園ちゃんはセーヤを頼るしかない。そんな美園ちゃんがセーヤに信頼を寄せるのは、難しい事じゃない」

「………」

「少しでもセーヤの手助けがあれば西での生活はできる。美園ちゃんもまた元気になる。

だけど、セーヤは狙った人の感情を動かすのが得意で、簡単に絶望へと持っていけるんだよ」

「………」