「遅いわよ」





星矢さんと車に乗ってたどり着いたのは、大きくスプレーで"喧嘩上等"と書かれた、

東都第一高校。




そして、その門の前で仁王立ちしている女性。




「あ、」



あの時の、女の人…。




「あたしをどれだけ待たせたら気がすむのよ」

「そんなん俺のせいちゃうで」

「ふん。さっさと中に入れば。あんたも」



"あんたも"は、あたしに向けた言葉だとわかったのは、彼女の目があたしを向いていたことと、すでに星矢さんは彼女に言われる間も無く、堂々と中へ入って行ったこと。




「なぁ、ここシャワーないんか?」

「あんたに貸すようなシャワーないわよ」

「ちゃうちゃう、俺やなくて美園ちゃんの」

「は?」



彼女の視線が一気に険しくなった。