「はぁっ…はぁ…」



追ってこないとわかっていても、どうしても逃げる癖がついているせいか、余計に走ってしまった。


自分の全速力で走ったせいで、息が苦しい。

自分の体力の無さに泣けてくる。





「ねぇ、大丈夫?」

「っ…!?」



背後から声をかけられ、ハッとして振り返る。

そこにいたのは、金髪の女の人。




「すんごい全速力で走ってたけど、誰かにおいかけられてたの?」

「あ、いえ…」

「ん?」

「あの、」

「ん?」

「ち、近いですっ…」



あたしが曖昧な返答をするせいか、グッと顔を近づけてくる女の人。

この人…この様子じゃ、さっきの見てたんじゃないの…?


なによりも、早く言えと言わんばかりの圧力を感じてしまう。