「なんでよぉ!?
なんで今日一緒に帰れなくなったのぉ!?」



もう、なに、うるさいなぁ。
倉科遥親衛隊の女子達はただでさえ声高いのにさぁ。
これ以上高くしないで。
頭痛くなるでしょーが。


「ごめん、用ができちゃってさ。」


わぁ、倉科遥があやまってるーwww
ざまぁwww



「遥くんが言うなら仕方ないけどぉ。
こんど埋め合わせはしてよねぇ。」


「悪い、それもできないんだ。」



え、倉科遥がお願いを断った?
だって、今まで女の子のお願いならなんでもきいてたじゃん!



「いろんな女の子と関わり持ってきたけどさ、そろそろ終わりにしなきゃなって。」



倉科遥…………?
え、どうしたの?いきなり!



倉科遥親衛隊の女子達はぽかんと口をあけてる。
これがあいた口がふさがらないってやつ?



「だからさ、何も言わず理解してくれないかな?」



出たぁぁぁぁ!
倉科遥のおねだりする時の子犬みたいな顔!
あれはさすがの私でもちょっと……うん。
だから倉科遥親衛隊の女子達にとっては鼻血ものだろう。



「遥くんがそういうなら……全然オッケーだよぉ♪」



ほらみろ。
倉科遥親衛隊の女子達は予想通りの行動をとった。


それにしても倉科遥はどうしちゃったんだろう。



倉科遥と目が合う。



余裕そうな顔でウインクしてきた。



そして私は気づく。
まさか………
そのまさかのまさか!
倉科遥が親衛隊を突き放したのはまさか……私と帰るため?