甘党姫のお気に入り




「倉科…遥⁉︎
ちょっと待って…」


一歩ずつ後ろにさがる。


だが、路地裏だけあってカベに追い込まれた。


倉科遥がカベに手をつく。


「だから、私、キスしたら発作がおこっちゃうの‼︎
ダメなの‼︎」


「大丈夫だ。
そんなにイヤだったら、また殴ればいい」


いつものチャラチャラした笑顔にくらべて真剣な表情。


こんな顔されたら…拒めないよ…。


私は唇が震えたまま目をつぶった。


唇に柔らかくて、あたたかいものが伝わってきた。


そっと唇に触れるだけの優しいキス。


たった5秒くらいなのに、私にとっては1分くらいの長さに感じたけど。


唇がはなれる。


今、どんな顔してるか、わからない。
感覚がおかしい。
心臓がバクバクして、音が身体全身に響いている。


キスをした当の本人は、今までにない真っ赤な顔をしていた。


それを見た私は、もっと顔が熱くなる。


あれ……。
ちょっと待って……。
まさか………