「いいなぁー! 苺は。
毎日スイーツが、食べれてさぁ」


私の目の前の人物が、お弁当の卵焼きを食べながら話した。


「なに言ってんの。
私だって普通の、ごはんが食べたいよ」


私の名前は佐糖 苺。
最近、高1になったばかりだ。


今、私の前で大きい卵焼きを一口で食べているのは、私の中学からの親友、雛山 愛乃〔ヒナヤマ アイノ〕である。


愛乃のほうがうらやましいよ…。
私は食べたくても食べれないんだからさ。


そう。私は生まれつき変な体質を持っている。
まだ小さい頃、離乳食を口に入れたら、心肺停止をし、生と死の境をさまよったらしい。
私は覚えてないんだけど。


それから何回か、普通のごはんを口にした。
だけどダメだった。
意識不明になり、何日も眠っていた事もある。


そして分かったんだ。
私には、甘いものしか食べれないって。