「ねーねー、クレープどこ?」


「はいはい、苺は食い意地はってんなぁ」


「悪かったわねっ!」


話すのに夢中で、段差があったことに気づかなかった。


段差につまずいて、バランスを崩す。


「キャァッ⁉︎」


「っと。
危ねーなぁ」


ハッと目を見開いた。


私の顔が倉科遥の胸板に押しつけられる。


「わっ⁉︎」


倉科遥は私を片手で抱きしめているみたいな形になっている。


「大丈夫か?」


倉科遥がのぞきこんでくる。


「え…………ぁっ!
大丈夫‼︎」


倉科遥の腕の中で、固まっていた。


なんか、抱きしめる力も強いし、密着してるしで//////


やっぱり倉科遥って男子だなぁって感じがする。


しかも、なんか安心する。


抱きしめる力は強いけど、優しい抱きしめ方とゆーか……。


って、なに言ってんだろ、私。


私が恋することなんて一生ないのに。


ましてや、倉科遥を好きになるなんてありえないのに。


なんで、こんなにドキドキするんだろう…………。