甘党姫のお気に入り




「実は…さ、俺、今日これ持ってきた」


倉科遥が後ろから出してきたのは、お弁当だ。


お弁当?
倉科遥の?


フタをあける。


その中にはチョコケーキが入っていた。


「ほら………、俺、昨日、苺のチョコケーキ食べただろ?
だから………」


まさか………、私のために………?


「食べていいの?」


「おぅ」


チョコケーキを手にとり、口の中に入れてみる。


フワッと甘い食感が広がった。


「おいしい…!」


「そうか?
なら、良かった」


倉科遥って………、優しい所もあるんだ….。


「私、チョコケーキが1番好き。
こんなおいしいケーキ食べたの初めて。
ありがとうっ‼︎」


私は無邪気な笑顔を見せた。


普通に倉科遥に笑かけていることに、気づき、すぐ背を向けた。


私ったら、バカじゃないの?
倉科遥なんか大キライなのに!


「倉科遥!
今のは忘れてよね!」


倉科遥のほうへ向き直る。


倉科遥はその場で立ち尽くしいた。


あれ…?


「倉科遥…?」


なんかぼーっとしてる?


「苺…」


ようやくしゃべったと思ったら、倉科遥がどんどん近づいてくる。


え、なに…


私と倉科遥の距離はあと5cm…


このままだと、私…、倉科遥とキスしちゃう!