ー昼休みー


「なに〜? 苺。
遥くんともう仲良くなっちゃってさ?」


「なにいってんの、愛乃!
そんなわけないじゃん‼︎ 大キライだし‼︎」


「苺が遥くんに勉強教えられてるとこ、見たけど?」


「………………っ⁉︎
そ、それは………」


目を泳がせる。


愛乃がニヤニヤ笑ってるのが見えた。


「いーちごっ‼︎」


ぎゅっ……


後ろから、誰かに抱きつかれる。


「ひゃぁ⁉︎」


私がスッポリうまっちゃったから、私より背が高い人?



でも、あったかいなぁ…。


上を見上げる。


「よっ!」


ムカつく顔が私をのぞきこんでいた。


「く、倉科遥‼︎」


すぐに倉科遥の腕の中から、逃げた。


「こんなとこまで、何の用よ!」


「あー、ほら、クッキーくれるって言っただろ?
もらいにきた。」


「もー! 愛乃ー、どうしよう?」


愛乃に助けを求める。


愛乃はすぐそばに倉科遥がいるから固まっていた。


「え……、苺って、やっぱ遥くんと付き合ってたの?」


「なわけ……」


ない、と私が答える前に倉科遥の言葉によってさえぎられた。


「俺ら、付き合ってるけど?
ってゆーことでさ、苺借りるね?」


はぁぁぁぁっ⁉︎


付き合ってる⁉︎


なにガセ流してんの‼︎


「苺、おめでとう♡
遥くん、苺ならいつでもどーぞ!
今日の放課後は私、違う友達と帰るから、苺は遥くんと帰ってね♡」


「おぅ!
俺が苺を家まで送るから、愛乃ちゃんは安心してな!」


ちょ、なに勝手に約束してるの⁉︎


私、一言もOKなんて言ってないけど⁉︎


「じゃぁ、苺、ごゆっくりー♡」


「あ、待ってー! 愛乃ー‼︎」


もう愛乃は見えないところまで、行ってしまった。


愛乃、足はやっ!


後ろを振り向くと、倉科遥が満面な笑みを浮かべている。


私は冷や汗をかいている事に気づいた。