「問1は簡単だろー?
ここに当てはまる公式は何かわかるか?」


こ、公式?
そんなのあるの?


「えーと………アハハ」


「まず、そっからか。
ここはこうだから、こうだろ?」


説明するために、私と倉科遥との距離が近くなった。


近い近い近い>_<


「……で〜〜〜だから、この公式を使うんだ」


あれ?
この問題、意外とけっこう簡単なんでは…?


今の倉科遥の説明でよく分かった。


「じゃぁさ…、問2の答えって5?」


「正解。
やればできんじゃん?」


そう言って、倉科遥の手が伸びてくる。


ポンポンと頭に手をおかれ、何も反応ができなかった。


あ、あああ頭なでるなんて、反則…っ‼︎


心臓うるさいっ!


なにこれ…。


いけない、勉強に集中集中!


このプリントの問題は全てこの公式を使うのかぁ。
そうと分かれば簡単じゃない?


私は僅か2分足らずで全問解いたのである。


スラスラ答えが書けた!
これも倉科遥のおかげ?


「倉科遥!」


「あ?」


「あっ……ありがと………ね」


お礼言うのって、こんな緊張するもんだっけ⁉︎


私がどんどんおかしくなっていく>_<


「苺、今日の昼飯はなんだ?」


「え、クッキーだけど…?」


「じゃあ、ちょっと俺にくれ」


「はぁ?」


「俺、数学教えた」


「〜〜〜〜っ‼︎
ちょっとだけね⁉︎」