甘党姫のお気に入り




「俺のこと、知らないって顔してんなぁ。
俺の名前は倉科遥。覚えとけよ?」


くらしなはるか……。


「ってゆーことで、ケーキくれよな♪」


倉科遥は私が食べていたケーキをひょいとつまみ、一口で食べてしまった。


あーーーっ‼︎
私の昼ごはん‼︎


「うん、これけっこーうまい。
どこで買ってんの?」


倉科遥の問いかけを無視して、キッとにらむ。


「返しなさいよ‼︎
私、これしか昼ごはんがないんだから‼︎」


「返せっていったって、もう食べちゃった♪」


舌を出し、悪魔の笑みをする倉科遥。


もうーーーーっ‼︎
ムカつく怒


私の唯一のお昼ご飯なんだよ⁉︎
いきなり現れて、人のもの食べるとか意味わかんないんですけど‼︎


「ねぇ、遥ぁ!
そろそろ行こ?」


とりまきの女子達が倉科遥の服をひっぱった。


「あー、はいはい。
じゃあね、佐糖苺ちゃん♡
明日もケーキちょーだいね?」


イジワルっぽい笑みを浮かべ、倉科遥はとりまきの女子達と行ってしまった。