ずっと好きだから。





私はゆっくり手紙を開いた。

そして、その内容に私は泣きそうになった。

その内容は…


“あんたさ、北川くんに付きまとってるんだって?そーゆーのさマジ迷惑だからやめてくれない?北川くんは杏奈と付き合ってるんだって!あんたがいくらもがいても無駄なのよ!ちょっと可愛いからって調子のんな!マジウザいから。金輪際、北川くんにつきまとわないで!杏奈が可哀想だから!”

私はその手紙をもう一度読み直し、冷静になってただ一つだけ浮かんだこと…、
それは…


…あの噂本当だったんだ…。

と言うことだった。

そんな風に冷静に考えているつもりなのに、どんどん視界が歪んでいく。

そして涙がこぼれそうになった時に、チャイムがなった。

私が授業が終わった瞬間教室を飛び出した。

そして、トイレの個室に入り泣いた。

すると、柊南天さんと海沢さんの声が聞こえた。

『ちゃんと言ってくれた?乃亜』

『うん、言ったよ!そしたらあいつ授業が終わった瞬間に教室出て行ったよ。』

『ふふっ、ウケるね。』

『でしょ?本当あいつ杏奈より可愛くもないしスタイルも良くないのに、よく好きでいられたね。』

分かってるもん!私が可愛くないことも!スタイルが悪いことも!

全部全部分かってるもん!

『杏奈、でも私一つだけ嘘付いたよ。』

嘘?

『何言ったの?』

『杏奈と北川くんは付き合ってるってやつ。』

『えー、それは北川くんに失礼だよぉ!』

ーーえ?どーゆーこと?

『噂を利用しちゃった。』

『私はただ、北川くんのことが好きなだけだもん!』

なぁんだ。

じゃあ、もうすぐ噂じゃなくて現実になるじゃん。

『でも、絶対脈ありだよ!だって移動教室で理科室行ったとき、北川くん達は音楽でたまたま理科室の前通った時、北川くんの友達が北川くんにこっちのほうを指差しながら冷やかしてた感じじゃん。』

ああ、あの時のことか。

私はその隣に居たからよく覚えている。

確かその時北川くんと目があったんだっけ?

ってあれ?私、涙とまってるじゃん。

『あっ、やっば!時間!』

『あっ、じゃあまた昼休みね!』

『うん、バイバイ。』

私は2人が出て行ったのを見てから急いで教室に戻った。