「はぁ。はぁ。はぁ。」
この長い長い登り坂を無我夢中で走った。
私は関田椿琉(せきだつばる)。　
「美鈴！」
「椿琉？どうしたの！？息切らして。」
この子は、私の親友の田中美鈴。優しくて可愛くて大人っぽくて、おまけに頭もいい。だから男子にはもちもん、女子にも大人気なの！
でも、
「宏賀くんと別れたってほんと！？なんで？あんなに仲良かったじゃん！」
美鈴は、ポカンと口を開けている。
「美鈴？」
「椿琉、なんで知ってるの？」　
「分かるよっ！私だって、宏賀くんと話すからさ。なんで振っちゃったの？」