「えい」



「うわっ!」




見事に男鹿くんはクモをノートの上に移動させた。




「うわって何だよ。クモぐらいでビビなよ。」



「う…ご、ゴメン…」





って、何で謝ってんの…私…ヒュュュュ





「よいしょっ」




ポイっと窓からクモを捨て、また窓を閉めた。




フー…




「す、すごいね男鹿くんは…」



「別に全然すごくねぇよ。」



「そ、そっか」




私は慌ててそう言い、縮ませていた足を真っ直ぐにし、男鹿くんの前に立った。




「でも




ありがとう」




私は引き吊った笑顔で言った。




きっと今ブス顔だな…




でも、お礼くらいは行っておかなきゃねっ!




男鹿くんは一瞬ピタッと止まり、目を少し大きく開けた?




??



「男鹿く…ひゃっ…」




な、何…




今、何が起きたの…?





おでこに熱を感じた…




ってことは、





あの超モテモテの




男鹿くんに




キスされた…ってことでいいの…?