教室に入ると、外よりももっと賑わう声が大きかった。



「佐野!おっはよー♪」


「あ、晴香。」




晴香も今来たばかりのようで、まだ机の上に鞄が置きっぱなしにしてあった。




晴香真埼(ハルカマキ)は、私の親友。




中学の時、私はいつも中途半端な友達付き合いをしていたから、『親友』にはとても憧れていた。




晴香は、私を否定したりする事はなく、全てを出せる大切で、優しい親友。





そんな私達は、なぜかお互いを名字で呼び合う。




『晴香』『佐野』と。




何でかは覚えてない…




だからなのか、他の友達からも名字で呼ばれることが多い。