運命……ね
「運命は変えることが可能らしいですよ?」
「え?」
「そして、幸福にも不幸にもなります。松井さんの運命とはなんですか?」
………………意地悪しすぎたか?
ま、これに懲りてもう話しかけてくることもないだろう
「間違えたよ」
「この席はあたしの宿命。だからあたしの宿命に秋山くんも巻き込む」
はい?
「……そう、ですか」
…………何なんだこの子
この敗北感はなんだ?
「そういうことだから。よろしくね?」と言って笑った
「……よろしくお願いします」
なぜ僕に話しかけてきたのだろうか
これまでに接点なぞ何もなかったのに
いや、気にする必要はない
ただ、席が近くなっただけ
それだけだ
僕の学生生活に何の支障もない

