やはり先に抜いたのは喧嘩を吹っ掛けた男だ。


 こいつは後先考えずに行動する男だった。


 皆も知っていた、前々からいつか殺しをする男だろうと思っていたんだ。


 でもその場にいた奴等は全員、俺も含めて思わず声をだしちまったんだ。

 
 
 先に抜いた男の銃は宙に飛ばされていたんだ。

 
 そいつは早抜きした厄介な男の銃を狙って撃ちやがった。

 
 ていう事はだ。

 後から抜いて自分に向けられた動く小さい的に当てたって事になるよな?

 
 自分で話してても信じられねえよ。

 
 でもこの目で見たんだ。

 お袋の両目にでも誓う。

 それによ、あの時のあのいつも威張っていた男の焦った顔は今でも笑えるぜ。