私達は酒場と娼婦館が一緒になった場所で暮らしてたんだ。


 そこのボスが最悪でね。

 名前はビル・グランストン。

 通称、「奴隷商人のビル」っていわれてたよ。

 
 商売で失敗した家族の娘や、夫を失った女、

 借金の肩代わりにって娘もいたね。


 とにかくそいつは女を道具にしか思って無い奴だった。


 あたしらの誰かが客に乱暴されたらさ、

 そいつ何て言ったか分かるかい?


「修理代をよこせ」だとさ。


 そんでその女はまだ若かったのに客を取れない顔にされちまってさ。

 

 まあ、あたしの事だって顔をみりゃわかるだろう?

 
 男はみんなそうだけど、

 あいつのあたしに対する仕打ちは常軌をいっしてたね。

 
 それであたしは只の雑用係になったってわけ。