Check mate







「…………くだらない。」



何となく、殺害動機がわかったのだが

……ほんとくだらない。



……いや、そんなことはどうでもいいんだ。

私はいつも、私のために誰かを殺す。


…血が見たい、というそれだけの理由で。



そう考えると、私もものすごくくだらない理由で

殺しを繰り返しているんだろう。


それがわかっててもやめられないのは、

……やはり私は狂ってるんだろうな。



夜の風が髪を乱す。

廃ビルの屋上で私は遠い街を見下ろしていた。


時刻は20:53



そろそろいかなければ……。

……ふふっ、楽しみだ。





左手には折り畳み式のナイフ。


……さあ、始めようか。



私は闇の中へと飛び降りた。